
うちの子、どうしてこんなに繊細なんだろう?
そんなふうに感じたことはありませんか。



私自身、HSCを育てる中で、娘の小さな不安や言葉にできない思いにどう寄り添えばいいのか、日々悩んできました。
そんなとき出会ったのが、ほんだあきこさんの絵本『すうちゃんはね』です。
この絵本は、繊細な子どもたちの心を理解できるようになる素敵な一冊でした。


絵本の基本情報
タイトル | すうちゃんはね |
作者 | 文・ほんだ あきこ、絵・千葉 智江 |
出版社 | 小学館 |
出版日 | 2024年4月17日 |
ページ数 | 36ページ |
定価 | 1,540円(税込) |
対象年齢 | 4歳くらい〜 |
あらすじと絵本の概要
『すうちゃんはね』は、幼稚園に通う女の子・すうちゃんの心の葛藤を描いた絵本です。
一見元気に見えるすうちゃんですが、朝になると登園を嫌がります。
その気持ちの奥にあるのは、「周りが気づかないくらいささいな刺激」を深く受け取ってしまう、繊細な感受性からくる不安や恐れ。



この絵本は、子どもが自分の感情をうまく言葉にできないときに、大人がどう寄り添えるかをやさしく問いかけてくれます。
娘の反応
この本が届いた日、うちの娘は3回も「読んで」と持ってきました。
印象的だった様子
2回目からはじっとすうちゃんの表情やしぐさを見つめるようにページを追っていた。
大きなリアクションをするわけではありませんでしたが、子どもなりに自分と重ねる部分があったのかもしれません。



保育園、ちょっと疲れちゃうときあるよね
と声をかけると、静かにうなずいていました。
この絵本は、HSCの子ども自身が「自分を理解してもらえた」と感じられるきっかけにもなるのだと実感しました。
HSCの視点で見た『すうちゃんはね』の魅力
すうちゃんはこんな子
すうちゃんは、「ちょっとしたこと」に大きく心が揺れる子ども。
物語のなかのすうちゃんは
- 言葉にできない違和感
- 感情のゆらぎ
といった、HSCの子どもたちにとってまさにあるあるの連続です。
読んでいて、「あっ、これうちの子と同じ」「まるで昔の自分を見ているみたい」と思わず心が動く方も多いのではないでしょうか。



すうちゃんの姿は、HSCの子どもたちが日常で感じている『言葉にならない生きづらさ』を見事に映し出しています。
親の心にも響く「気づき」の絵本
この絵本は、ただ子どもの不安を描くだけでなく、その気持ちに寄り添おうとする大人の視点もしっかり描かれています。
読んでいると、
「どうして登園を嫌がるの?」
「そんなに気にしなくても大丈夫でしょ?」
とつい言ってしまいがちな日常の言葉に、ハッとさせられます。
『すうちゃんはね』は、理解することの大切さを私たち大人にそっと教えてくれる一冊です。



HSCの子育てに悩む親にとって、自己否定ではなく気づきとやさしさで子どもを見つめ直すきっかけになる絵本だと感じました。
こんな人におすすめ
- HSC(繊細な子)を育てている保護者
- 幼稚園や保育園に行きしぶるお子さんに悩んでいる方
- 子どもの気持ちに寄り添いたいと思っている教育関係者
- 自分自身がHSP気質で、子育てに不安を感じている方
まとめ
『すうちゃんはね』は、繊細な子どもの心の声に寄り添い代弁してくれるような絵本です。
言葉にはならないけれど、胸の奥にあるもやもやや不安。
そんな感情を、やさしく丁寧にすくい取ってくれます。
HSCの子どもを育てる中で、「どう関わればいいんだろう」と悩む瞬間は少なくありません。
この絵本は、そんな親に「そのままの子どもを、まず理解してあげていいんだよ」と、あたたかく背中を押してくれる存在だと感じました。
そして、子どもにとっても、



わたしの気持ち、わかってもらえた
そんな安心が芽生えるきっかけになるかもしれません。



繊細な子供を理解し、寄り添いたいと考える方におすすめの絵本です。